・「実力不足」だった、と、
 女子カーリングの選手が言っていました。
 必要以上に自己卑下しているわけでもなく、
 考えることを放棄している感じでもなく、
 とても正面からのことばとして
 「実力不足」ということが語られた気がします。
 
 まったく参加することもできないような競争で、
 「実力不足」なんてことは言えません。
 「あわよくば好成績も」と欲がでてしまうくらいの強さ、
 というか、弱さが認識できたときに、
 やっと言えるようになるんだろうと思うのです。
 今回、これを言えた選手は、
 ようやく「実力不足」と言える地点に到達したんですね。
 つまり、「実力不足でした」なんて言えるほどの実力は、
 なかなかつくもんじゃないんですね。
 
 他人のことはわからないですが、
 ぼくがいちばん長くやっていた
 コピーライターという仕事で、
 「実力不足だなぁ」と感じたのは、
 おそらく中年になってからだったと思います。
 大きな「無力感」といっしょに感じたものでした。
 でもね、「実力不足」を感じてから後のほうが、
 あらゆることがおもしろくなったのも確かです。
 
 ぼくより若い人たちに、こころをこめて
 おせっかいなことを言ってあげましょう。
 「キミもいつか実力不足になれるといいね」ってね。
 で、ついでに、ぼくはいまも「実力不足」のままです。